「長唄稀曲の試み」公演、無事行いました!

 昨日、令和3年9月23日、紀尾井小ホールにて「長唄稀曲の試み」の本年の公演は無事終演する事が出来ました。コロナ禍が減少傾向にあるとは言え、未だ油断の出来ない中、感染予防対策は万全に備えて有観客にて開催致しました。ご来場のお客様には深く感謝申し上げます。
 今年は新たな同人を2名迎えまして同人各位公演に取り組む意識もより深まり、練り上げた内容の有る演奏が出来たのではないかと思っております。
 この公演を全曲収めたDVDを現在制作中で、ご予約を受け付けております。都合が付かずお越しになれなかった皆様、長唄の稀曲にご興味、ご関心のお持ちの皆様には是非ご視聴賜りたく願っております。

以下、昨日の本番前の準備状況の写真を掲示致します。

客席1列目は不使用。
お席は間隔を空けました。
受付の準備中。消毒液、マスク、フェイスシールド、等も万全に設置。
「末広」舞台稽古の準備中。長唄とお囃子の間にアクリル板を設置。
「末広」舞台稽古中。アクリル板はあまり目立ちません。
ビデオ撮影準備中。
「草刈」の音響チェック。お唄は諸々の準備の合間の中、洋服で失礼致します。
「長唄の伝承について」打合せ中。
稀音家義丸師と頼もしい新同人、東音高橋智久氏と岡安香代氏。

杵屋勝彦氏、ポーラ賞受賞

「長唄稀曲の試み」同人で副代表の杵屋勝彦氏がこの度、『伝統文化ポーラ賞』の優秀賞を受賞されました。伝統文化ポーラ賞は伝統文化の分野で貢献され、今後も活躍が期待される個人・団体に対し、更なる活躍と業績の向上を奨励することを目的とした賞で今年度で41回目を迎えます。以下受賞に関する記事を転載いたします。


優秀賞:杵屋 勝彦「長唄の伝承・振興」

■受賞内容について
江戸時代に成立した「長唄」(ながうた)は、日本の声楽を代表するジャンルの一つであり、数人の唄方と三味線方によって演奏されます。歌舞伎の伴奏音楽としても知られ、長唄演奏家が担当する音楽を「歌舞伎囃子」といい、舞台上で演奏する「出囃子」(でばやし)と、舞台下手の「黒御簾」(くろみす)などで演奏する「陰囃子」(かげばやし)からなります。長唄は重要無形文化財に指定されており、受賞者の杵屋 勝彦は保持者の一人として長唄の継承に努めています。

■受賞のポイント
唄方として活躍する杵屋氏は、歌舞伎座や国立劇場での歌舞伎公演にて演奏を行うほか、「杵勝会」の理事として長唄の普及、振興、伝承に励んでいます。また、長唄の研究においても多大な貢献があり、特に、「稀曲」(ききょく)、すなわち上演される機会が少ない貴重な曲の研究にも努めています。稀曲への深い理解に基づいた演奏と研究は随一のものと称賛されています。
長年にわたり修行を積まれ、輝かしい功績をのこすだけでなく、後進の育成にも尽力しています。その他、掛川市では毎年鑑賞会を開催しており、「輝くかけがわ応援大使」も務めるなど、長唄界の今後を明るく照らす杵屋氏の更なる活躍が期待され、今回の受賞となりました。

■公演歴
平成24年に設立された「稀曲の試み」の会ですが、新型コロナウイルス拡大の影響を受け、令和2年9月には、紀尾井小ホールにて公演「稀曲の試み」を無観客にて実施。本年9月には、同会場での「稀曲の試み」の公演を予定しているなど、コロナ禍での長唄の上演にも尽力しています。

■杵屋勝彦 (きねやかつひこ)プロフィール
昭和38年、東京都生まれ。幼少のころから、端唄や民謡に興味を持ち、独学で三味線を始める。高校二年生からは「長唄三味線」を杵屋勝雄師に師事。昭和57年、東京藝術大学音楽学部邦楽科長唄三味線専攻入学。在学中より「長唄」を東音福田克也師に師事。現在、一般財団法人杵勝会 理事などを務め、長唄界を牽引するほか、輝くかけがわ応援大使 (静岡県掛川市)なども務め、一般への長唄文化の普及に尽力している

記事元https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000063139.html