八朔梅月の霜月

(はっさくばいつきのしもつき)

 寛政元年(1789)七月、江戸中村座『平家評判記』第二番目三立目所作事「八朔梅月の霜月」
初代桜田治助作詞。二代目杵屋弥十郎作曲。


 熊野御前の所へ池田の宿から使いに来た朝顔妹お百(初代中山富三郎)と盗賊切株の鉈蔵、実は多田蔵人行綱(三代目大谷鬼次)が宝物を奪い合う場面に使われた古風な所作事です。セリフ「聞くべいか」にすぐ繋げて〽︎帰ろと鳴くは」と三下りクドキ模様にかかる特殊な型の曲です。二上り〽︎様に逢うと瀬戸やへ行けば」とおどけ混じりの田舎節。三下り〽︎招く尾花」の踊り地。〽︎星か蛍か」でチラシ立ち回り段切。今回は初演正本に添ってセリフを入れます。(プログラム解説文:稀音家義丸師記述)


演奏:2020年9月12日 於:紀尾井小ホール

  唄:杵屋勝彦 杵家弥佑 杵屋利次郎
三味線:東音大宮悟 杵屋佐之義 芳村伊十治郎
  笛:福原友裕
 小鼓:藤舎呂凰
 大鼓:望月左太晃郎
 太鼓:藤舎呂裕
大太鼓:望月秀幸